第218回公開セミナー

2015/02/22 17:54 に 阿部陽 が投稿   [ 2015/02/22 18:02 に更新しました ]
下記により公開セミナーを開催します。今回は2名の先生にご講演いただきます。

【日時】平成27年2月27日(金)10:00~12:00

【場所】岩手生物工学研究センター(北上市成田22-174-4)

【演題1】パパイヤ性染色体ゲノム解析と性決定遺伝子の探索

【講師】松村英生 准教授(信州大学ヒト環境科学研究支援センター)

【内容】
被子植物の多くの種は両性花を咲かせるが、一方で多様な性の様式を持つ植物種が存在する。パパイヤは雄、雌、両性の三性異株の植物であり、それらの性はX、Y及びYhの三つの性染色体の組み合わせで決定される。パパイヤではトランスジェニック品種の両性株についてドラフトゲノム配列が決定されているが、性決定に関わる遺伝子や性決定機構については未解明である。
 私たちは、既存のゲノム配列情報と次世代シークエンス解析データを組み合わせた性染色体のゲノム配列の再構築と比較解析、並びにトランスクリプトーム解析から性決定に関わる候補遺伝子の絞りこみを行った(Urasaki, et al., 2012, Ueno et al., 2014)。本解析で見られたパパイヤ性染色上の遺伝子構造や発現の 特徴も含めて紹介する。


【演題2】RAD-seq法によるパインアップル育種マーカーの開発

【講師】浦崎直也 上席主任研究員(沖縄県農業研究センター)

【内容】
パインアップルは、亜熱帯地域に属する沖縄県の重要な土地利用型作物であり、1980年代後半には缶詰加工用を主として約40,000トンの生産量を誇っていた。しかしながら、1990年のガットウルグワイラウンドにおいてパインアップルの輸入自由化が決定され、沖縄県のパインアップル生産は大きなダメージを受けている。このような背景から、沖縄県では、外国産と差別化を図る目的で、生食用パインアップルの育種と生産振興に取り組んでいる。現在の出荷量は6,410トン(平成25年度)で、その65%が生食用のパインアップルとなっている。
 パインアップルの育種は、交配により獲得したF1個体群から優良個体を選抜し、次世代以降は選抜個体を栄養繁殖で増殖しながら選抜を繰り返す方法で行っている。望まれる形質としては、葉縁に刺がないこと、黄色系の果肉・果皮色であること、高糖度であることなどが挙げられる。現在、交配、選抜そして系統適応性試験を経て品種登録を行うまでに13~20年の期間を要している。特に、交配により得たF1の形質の評価(第一次選抜)には3年という長期間を要するため、初期選抜の効率化が求められている。
 そこで、沖縄県農業研究センターではパインアップルの育種の効率化を図るためにRAD-seq法を用いてパインアップルの有用形質と連鎖するDNAマーカーの開発に取り組んでいる。本発表では、栽培や収穫の作業過程で生産者の負担となっている葉縁の刺形質、そして、交配から評価までに3年を要する果肉色と連鎖するDNAマーカーの開発について紹介する。

 
【対象】当センター職員、県試験研究機関、独立行政法人試験研究機関、大学、農業大学校などの関係研究機関を想定した内容となっています。
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