第236・237回公開セミナー

2017/06/22 0:05 に 和賀佳子 が投稿   [ 2017/07/04 18:07 に更新しました ]

以下のとおり、公開セミナーを開催します。

参加希望者は、 kenkyu-syukan@ibrc.co.jp (@を半角で入力してください)まで

ご連絡ください。

当日参加も可能です。


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【236】

開催日時:平成29年7月6日(木)

     14時00分〜15時00分 

会場:(公財)岩手生物工学研究センター 大会議室

参加対象: センター職員、県試験場、農業大学校、独立行政法人(東北農研、果樹研、森林総研)、岩手大学など関係研究機関

 

演題: マメ科植物と微生物との相互作用〜共生菌相互作用から病原菌相互作用〜

講師:川原田 泰之(岩手大学 農学部)

 植物と微生物の相互作用は、双方間における複合的な分子的コミュニケーションによって行われる。代表例として、マメ科植物と土壌細菌である根粒菌との共生相互作用があげられ、根粒菌が分泌するNod因子やEPSを宿主植物がNFR1NFR5受容体やEPR3受容体を介して認識し共生過程を進行させていく,。そして、この共生過程の果てに宿主植物の根や茎に根粒を形成する。

 自然界の土壌、特に植物の根の周辺に広がる根圏では、根粒菌以外にも様々な細菌が存在し、これらの細菌群と宿主植物は、常に異なる相互作用を行なっている。このような環境下でマメ科植物と根粒菌とが共生相互作用を行うにあたり、宿主植物は、この根圏に生存している多様な細菌群から共生パートナーである根粒菌を選抜し、この根粒菌だけを宿主細胞内に取り込まなければならない。言い換えると、マメ科植物は、共生過程において、病原菌などの拮抗する細菌を排除していると考えられる。しかしながら、共生過程における植物防御システムなどについての知見が乏しいことなどから、共生相互作用と共に進行する他の相互作用を交えた複合的な相互作用に関する知見などは得られていない。

 そこで本セミナーでは、マメ科植物と根粒菌の共生相互作用の研究紹介と共に、マメ科植物と病原菌との相互作用や根粒菌と病原菌からなる複合的な相互作用について最新のデータを交えながら議論する。

1.Kawaharada et al.: Nature (2015)

2.Kawaharada et al.: Nature communications (2017)


【237】

開催日時:平成29年7月7日(金)

     14時00分〜15時30分 

会場:(公財)岩手生物工学研究センター 大会議室

参加対象: センター職員、県試験場、農業大学校、独立行政法人(東北農研、果樹研、森林総研)、岩手大学など関係研究機関

 

演題1: コムギ無細胞系を基盤とした新規タグ-抗体システムと薬剤探索技術の開発

講師: 澤崎達也 教授(愛媛大学プロテオサイエンスセンター)

  FLAGタグに代表されるペプチドと抗体からなるタグ-抗体システムは、生化学的および細胞生物学的解析に必須なツールである。ウサギの抗体産生細胞は、ハイブリドーマ化が困難であるため、ウサギモノクローナル抗体の単離は困難であった。我々は、富山大学の村口グループが開発した単一抗体産生細胞分離技術であるISAAC法を用いて、ドーパミン受容体のC末端を認識する2種類の高親和性ウサギモノクローナル抗体を取得し、AGIAdoi: 10.1371/journal.pone.0156716)およびCP5in press)タグシステムを構築した。また近年、コムギ無細胞系とAlphaScreen技術を用いることにより、タンパク質-タンパク質やタンパク質-核酸の相互作用を阻害する薬剤の探索が簡便に行えることが分かってきた。それらについて紹介する。

 

演題2: 花芽形成を制御する薬剤開発

講師:  野澤 彰 講師(愛媛大学プロテオサイエンスセンター)

植物の花芽形成を誘導する仮想的シグナル物質として提唱されていた花成ホルモンの実体が今世紀に入りFTタンパク質であることが明らかにされた。葉で合成されたFTタンパク質が維管束篩部を通り茎頂に移動し、茎頂分裂組織で14-3-3タンパク質およびbZIP型転写因子であるFD3者複合体(活性化フロリゲン複合体)を形成し、花芽形成に関与する遺伝子の発現を促進することで花芽形成が起こると考えられている。我々は、この花成制御を担う分子実体がタンパク質の複合体である点に着目し、これらタンパク質の相互作用の制御を通じて花芽形成の制御が可能なのではないかと考えた。本セミナーでは、現在の研究の進展状況について報告する。

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