2022年9月30日
公益財団法人岩手生物工学研究センターの竹田匠 主任研究員、京都大学大学院農学研究科の寺内良平 教授らの共同研究グループは、イネ由来の細胞外タンパク質であるCBM1-Interacting Protein (CBMIP) がいもち病菌の特異なタンパク質である Carbo-hydrate Binding Module 1 (CBM1) の作用を阻害し、いもち病菌の感染を抑制していることを世界で初めて発見しました。
いもち病菌はイネなどの穀物に感染するカビです。いもち病菌はイネに感染するため、多糖分解酵素を使い、イネの細胞壁を分解します。特にCBM1 を有する多糖分解酵は、効率的に細胞壁を分解するため、いもち病菌にとっては強力な武器となっています。これに対して、イネは 細胞外にCBMIP を分泌し、CBM1の作用を阻害することにより細胞壁の分解を阻止します。これにより、イネはいもち病菌の感染を抑制しています。今後、CBMIPを高度に生産させることにより、病気に強いイネ品種の作出が可能になります。
本成果は、2022年9月29日に国際学術誌「PLOS Pathogens」にオンライン掲載されました。
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